スクリーンショットを撮った。
3月14日の深夜。MacBookの画面を、6つのターミナルウィンドウが埋め尽くしていた。
左上:claude_code — Claude Code自体の拡張プラグイン。 左中:HERP_Automation — 採用管理の自動化ツール。 左下:awata-assistant — 個人用のAIアシスタント。 右上:my-scope — スコープ管理のダッシュボード。 右中:JJMap — ジョブ型人事制度のマッピングツール。 右下:stomps — ブログプラットフォーム。
6つのプロダクト。6つのリポジトリ。6つのClaude Codeセッション。
Session 1: claude_code — plugin architecture refactoring Session 2: HERP_Automation — API integration with candidate DB Session 3: awata-assistant — voice command interface Session 4: my-scope — quarterly review dashboard Session 5: JJMap — job grade visualization Session 6: stomps — blog template system
人事部のアラタが、6つのソフトウェアプロダクトを同時に開発している。
この文章を書いていても、自分で信じられない。3ヶ月前の僕は「ターミナル」という言葉すら日常語彙になかった。cdコマンドを打つだけで達成感を感じていた。それが今、6つのプロジェクトディレクトリを行き来している。
ハッチに言われて初めて気づいた。僕のGitHubプロフィールが、ほぼ毎日濃い緑色で埋まっている。エンジニアですら維持するのが難しいと言われるストリーク。人事の僕がそれをやっている。
もちろん、コードを書いているのは主にClaude Codeだ。でも設計し、指示し、レビューし、方向性を決めているのは僕だ。それは「開発」と呼んでいいのだろうか。
6つのターミナルの間を飛び回る感覚は、不思議なものだった。
HERP_Automationで候補者データのAPIを叩いている最中に、JJMapのジョブグレード可視化のアイデアが浮かぶ。my-scopeの四半期レビュー機能を作りながら、それをHERP_Automationのレポートと連携させたくなる。
プロダクト同士がつながり始めた。個別のツールだったものが、エコシステムになろうとしている。人事の業務フロー全体をカバーする、統合プラットフォーム。
それは人事部長時代に夢見ていたものだった。「こういうツールがあればいいのに」と何度も思っていた。SaaSを探し回って、結局どれも帯に短し襷に長しで、Excelに戻る。あの繰り返し。
今、僕はそれを自分で作っている。
ただ、正直に書かなければならないこともある。
6つは多すぎた。
[my-scope] Error: Cannot read properties of undefined (reading ‘map’) [JJMap] Warning: Unused variable ‘gradeData’ in JobGradeChart.tsx [stomps] Build failed: Missing required field ‘pubDate’ in content schema
あちこちでエラーが出る。1つを直している間に、別のプロジェクトのコンテキストが頭から消える。さっきJJMapで何をしようとしていたっけ。my-scopeのAPIエンドポイントのパスは何だっけ。
AIはコンテキストを完璧に覚えている。僕の脳は6つのプロジェクトを並列処理するようにはできていない。
ボトルネックは、コードでもAIでもなく、僕の脳だった。
午前1時。6つのターミナルのうち、3つを閉じた。今夜はstomps、HERP_Automation、JJMapの3つに集中する。残りは明日だ。
それでも3つ。十分異常だと思う。
ハッチが送ってきたメッセージを思い出す。「うちの会社のエンジニアにもいないぞ」。
エンジニアじゃない。人事だ。人事がターミナルを6つ開いている。この事実だけで、世界が変わりつつあることの証拠になると思う。