Activity by Hourのグラフを見てしまった。
GitHubのコントリビューション分析ツールが出してきた、時間帯別のアクティビティ。横軸が0時から23時。縦軸がコミット数。
普通の開発者なら、9時から18時にバーが集中するはずだ。あるいは夜型なら、20時から1時くらいか。
僕のグラフには、空白の時間帯がほとんどなかった。
00:00 ████████ 23 commits 01:00 ██████ 18 commits 02:00 █████ 14 commits 03:00 ████ 11 commits 04:00 ██ 6 commits 05:00 █ 3 commits 06:00 ██ 5 commits 07:00 ████ 12 commits 08:00 ██████ 17 commits … 22:00 █████████ 27 commits 23:00 ████████ 24 commits
午前3時に11コミット。午前4時に6コミット。
いつからこうなったのか。正確には思い出せない。
最初は「寝る前に少しだけ」だった。22時にMacBookを開いて、1つだけタスクを片付ける。それが23時になり、0時になり、1時になった。気づいたら3時で、4時間後に起きなければならない。
問題は、止め時がないことだ。
5分で終わる。でも終わると、別のことが気になる。「あ、このページのフッターもモバイルで崩れてたな」。それも5分。でもフッターを直すと、ヘッダーとの統一性が気になる。ヘッダーも直す。直したらナビゲーションの挙動が変わった。それも直す。
エンジニアが「ヤクの毛刈り」と呼ぶやつだと、後でハッチに教えてもらった。1つの問題を解決しようとすると、その前提となる別の問題が見つかり、それを解決しようとするとさらに別の問題が…と連鎖していく。
身体は正直だった。
朝、会社のデスクで資料を読んでいると、文字がぼやける。会議中に一瞬意識が飛ぶ。3時間しか寝ていない日が、週に3回。
気づいていた。でも止められなかった。
これは依存症だと思う。
新しい機能が動いた瞬間のドーパミン。デプロイが成功したときの達成感。バグを解決したときの快感。それがこの2ヶ月、毎日何回も来る。ゲームに似ている。「あと1ステージだけ」が延々と続く。
Session duration: 4h 23m Prompts sent: 87 Files modified: 34 Commits: 12 Coffee consumed: 3 cups (estimated)
4時間23分のセッション。87回のプロンプト。34ファイルの変更。12コミット。
これが午後10時半から午前3時の間に行われている。会社員の平日の夜に。
ある夜、ふと手を止めた。
MacBookの画面の光だけが、暗い部屋を照らしている。時計を見る。午前3時17分。外は完全な闇。隣の部屋で妻が寝ている。明日は朝9時から評価面談が3件入っている。
このペースは持続可能じゃない。
頭ではわかっている。睡眠不足は判断力を下げる。判断力が下がると、プロダクトの品質が下がる。品質が下がると手戻りが増える。手戻りが増えると、さらに時間がかかる。悪循環だ。
クロは24時間稼働だ。疲れない。眠くならない。集中力が切れない。でも僕は人間だ。
MacBookを閉じた。画面の光が消えて、部屋が完全な暗闇になった。
布団に入って、目を閉じる。でも頭の中ではまだコードの構造が回っている。「明日の朝一で、あのAPIのエラーハンドリングを…」
寝ろ。
翌朝、アラームで起きた。4時間の睡眠。頭が重い。コーヒーを2杯飲んで、なんとか評価面談をこなした。面談の合間にスマホでGitHubの通知を確認している自分に気づいて、さすがにまずいと思った。
今夜は0時までに寝よう。そう決めた。
結果、1時半まで起きていた。
わかっている。持続可能じゃない。でもまだ、この加速が止まらない。